大切にしたい本
のどのガンで昨年10月に亡くなった浜松市の藤田健吾さん。
同級生と一緒に高校を卒業するのを楽しみにしていた。17歳だった。
生前に書いた携帯電話のブログをご両親が本にするというので2月29日の毎日新聞朝刊で記事にした。
ブログは高校2年の夏から亡くなる3日前まで書かれた。
サッカー部に所属して、病気と闘いながらも精いっぱい生きた日々が記されている。
病気に対する恐怖、焦り、自分の体に対するもどかしさ。
正直につづられた文章が並ぶ。
サッカー部の友達にあてたメッセージ、日替わりで書いた幾つもの夢、あこがれ、思い出……。
入学と同時に病気の告知を受けた健吾さんが、人一倍濃密な高校時代を過ごしたことが伝わってくる。
先日、健吾さんのご家族から装丁仕上がった本「ありがとう」をいただいた。
読み終え、本を通してだが、健吾さんと出会えた喜びを感じた。
伝えたいという気持ちと、その気持ちのこもった言葉が1冊につまっていた。
書くことに携わる者として、大切にしたい本だと思った。
毎日新聞浜松支局・平林由梨
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