貧困大国ニッポン

中谷巌氏の「資本主義はなぜ自壊したのか」はなかなか中身の濃い本でした。


一言で言えば、アメリカに都合の良い新自由主義やグローバル経済主義が結局は世界全体に不安定をもたらしたというもの。


その背景にあるアメリカ建国からの精神的・宗教的価値観と日本や欧米との歴史観の違いなどについての分析は読み応えがありましたが、ただ文章の繰り返しが多い点など、ちょっと読みづらい本でもありました。


アマゾンのレビューなど見ると賛否両論あるようですが、小泉内閣による構造改革路線に疑問を持っていた私にとっては納得できる点も多い本です。

 

中でも気になった点が、今や「貧困大国」となった日本、という部分。


2008年10月に発表されたOECD(経済協力開発機構)レポートによればこの20年間で日本の貧困率が著しく伸びているとのこと。

            1985年            2005年
         再配分前 再配分後    再配分前  再配分後
日本       12.5  12.0       26.9  14.9
アメリカ     25.6  17.9       26.3  17.1
フランス     35.8   8.3       30.7   7.1
ドイツ      26.9   6.3       33.6  11.1
スウェーデン  26.1   3.3       26.7   5.3
ノルウェー   18.7   6.4        24.0  6.8
デンマーク   20.1   6.0       23.6   5.3
     

貧困率とは「それぞれの国の勤労者の中で、中位所得者が稼いでいる所得の半分以下の所得しか稼いでいない貧困者が全勤労者に占める比率」なのだそうです。

 

また再配分後とは年間所得から課税分や社会保障の給付金などを差し引きした、いわゆる手取り収入ということですが、85年に比べて日本だけが大幅に悪化し、アメリカに次ぐ貧困率の高い国になってしまいました。
 

 

特に子供がいる単身世帯(シングルマザー・ファザー)だけの貧困率を調べると日本は60%近くに達し、40%のアメリカも超え世界1位となり、「安心して子供が生める」社会には程遠い国になってしまったようです。

 
 

一方、ヨーロッパの国々、特に北欧は再配分前と後の差が大きいのは社会保障制度が充実しているこからとのこと。


一億総中流、貧富の差が少ない国だったはずの日本がここまで変わっていたことは驚きでした。
 
 

 

日本社会の安定と生産性向上のためも、貧困層を減らし、連帯感を高めなければならないという中谷氏の指摘には大いに同感です。
 


また企業も一部のエリートではなく、組織が一体となって目標に向かって行動するという日本的なよき経営を取り戻すべきだという意見は、経営品質の考え方にも通じるものではないでしょうか。

  

具体化するには様々な問題が生じるでしょうが、いずれにしてもこの閉塞感を何とか打破しなければなりませんね。
 
 

アマゾンのレビュー
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